勘違いしてませんか?リスキリングの必要性と今からできること

リスキリングの必要性

最近流行りのキーワードとして、「学び直し」や「リスキリング」という言葉が飛び交っています。

あなたはそれらの言葉を正しく理解し、行動に移せているでしょうか?

私の周りも正しい定義を理解していなかったため、あなたも勘違いしているかもしれません。

ぜひこの記事を読んでいただき、その「気づき」が得られたら幸いです。

リスキリングとは

リスキリングという言葉を聞いたことがあることでしょう。

英語で書くと、「re-skilling」となります。

日本語で言うと、「学び直し」と訳されることがあります。

果たして言葉通り、私たちが思っていることと同じことを指しているのでしょうか。

今までの教育と何が違うのか?

私たちが学校教育や職場で受ける教育は、リカレント教育といわれています。

リカレント教育は、スウェーデンの経済学者のゴスタ・レーンが提唱したとされた概念で、教育と就労を繰り返す学習方法の1つです。

私たちは算数を学ぶために小学校へ行き、買物ができるようになる。

高度な計算(数学)を学ぶために、高校や大学に通う経験がみなさんにあるかと思います。

それらを一般的にリカレント教育というのです。

リカレント教育とリスキリングの違いは何ですか?

それでは、リスキリングはリカレント教育と何が違うのかと思う方がいるかと思います。

リスキリングは新しい職業に就くことにフォーカスしている点が大きく異なります。

リカレント教育では、個人の関心が原点にあり、好きなことを学ぶ機会を探し、それに対して取り組むことになるため、基本的には実施責任は個人にあります。

一方、リスキリングは実施責任が企業に委ねられます。

企業がリスキリングに注目する理由(わけ)

リスキリングは企業主体で行うことであることをお伝えしましたが、なぜ個人ではないのかが気になるところですよね。

昨今の経済状況はどの企業も苦しい状況にあります。

それは技術の進歩が昔よりも指数関数的に早くなっていることや、企業上層部が中長期戦略を立てることが難しくなっていることが原因でしょう。

アメリカ等の海外では、ジョブ採用方式を取っており、その仕事によって必要なスキルが定義され、年収もまた定義されています。

そのため、企業戦略が変わるたびに、求められるジョブが変わることもあり、時にはレイオフ(クビ)が発生します。

(ここでジョブ採用方式の良し悪しを言うつもりはないです。)

そんなジョブ採用方式がうまく動いていた時代から変化が訪れます。

求人を出しても、必要な人材がなかなか集まらなくなってきたからです。

そんな状況からリスキリングが生まれたのです。

つまり、「必要なスキルセットがわかっているから、今いる従業員に学ばせてしまえばいいんじゃないか」と言うことなんです。

40代以上のおじさんやおばさんが対象?

リスキリングの対象者はどんな方でしょうか?

40代以上のおじさんやおばさんが対象なのは想像がつくでしょう。

四季報や会社情報を見ていただき、従業員の年齢層を確認してみてください。

きっと40代以上の従業員が多いのではないでしょうか。

だからと言って、新卒や30代はリスキリングしなくていいというわけではありません。

新卒や30代は先輩社員より仕事を教えてもらいながら成長しているので、会社目線では、比較的にスキルセットを変えやすいのです。

そんな背景から、若者へのリスキリングについてあまり話題として挙がらない。

何を学ぶべきなのか

それでは何をリスキリングとして学ばなければならないか。

それは企業の経営戦略に依存するので一般化できませんが、人材が少なくなっている日本で言うと、「自動化」がキーなのは確実かと思われます。

ルーティンワークは一般化することができる仕事に分類できるため、自動化しやすく、管理しやすいからです。

学歴評価の終了カウントダウン

人事採用方法も変わっていくでしょう。

今まで有名大学出身の方しか採用しないなどの条件が隠れてありましたが、少しずつ変わっています。

今まで経験したスキルや具体的な技術スキルが主な採用基準になり始めています。

逆を言うと、経験させてもらえる環境を与えることができる企業が求められるとも言えるのです。

人事系のスタートアップがアメリカで増えているのは、今まで以上に重要となった人事業務を補うためと言えるでしょう。

スキルに寿命がある

どんなスキルアップをすべきでしょうか。

スキルには寿命があることを理解し、戦略的に学習を進めた方がいいかと思います。

例えば、pythonというプログラミング言語で考えてみたいと思います。

pythonが生まれた当初、pythonを操れる方は少なく、少ない母集団を企業が年収などの条件を上げて人材を奪い合いました。

しばらくすると、一般の方でもpythonが使えるようになり、企業側としてはそれほど高い年収を提示しなくても人が集まるため、スキル重要度を下げます。

つまり、需要と供給に依存するのです。

今人気のスキルを身につければいいんだという考えではなく少し先の未来に求められるスキルを考えながら学習に取り組んだ方がいいかと思います。

私の会社では、リーダシップなどの研修をリスキリング教材として使い始めています。

おすすめのリスキリングの本

いかがだったでしょうか?

リスキリングに対しての「気づき」を得られたのではないでしょうか。

もしもっとリスキリングについて知りたい方は、下記の書籍がおすすめです。

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