カーディーラ等の車両修理場で行われる、最初の車輌診断ってどんなことがされてるか知ってますか?
車載されたメーター上に、自動車部品の消耗や不具合による警告ランプや故障ランプが点灯した場合、最寄りのカーディーラーや車両修理場に車を持ち込みますよね。
その時に対応してくれる整備士は、車両診断機を使った故障コードの読み出しを一番最初に行います。
今回は、その一部の技術についてご紹介します。
もくじ
車両診断機器とは?
車両診断機器は、小さなノートパソコンのような計算処理装置を積んだ装置で、末端に車両と接続できる特殊なコネクタを持ちます。
そのコネクタを運転席の足元周辺にあるコネクタに結線して車両診断機を起動させます。
車両診断機は、国際規格で決められている通信方式を用いて、①車両の状態を診断、②ECU(電子制御機器 たとえば、エンジン制御等)のソフトウェアアップデート機能、③センサ等の固体情報の更新等の機能を持ちます。
ISO-TP通信方式
上記で述べた通信方式にはたくさんの規格があり、各自動車メーカがどれをどんな時期に採用したかによって車両診断機器は処理を切り替えてますが、代表的な通信方式の一つを紹介します。
ISO-TP ( ISO15765)通信方式にも色々な手法があり、少し古いKW2000とかUDSっていうのがあります。
私がよく聞くのは、UDSが多いです。
参考先: ISO-TP 15765 Wiki
故障の種類
- 過去故障コード
- 現在故障コード
整備士が故障診断機器で、故障コードを読みます。
ここで出てきた故障コードは、国際規格で決まっているコード以外にも各自動車メーカーが決めた故障コードを含みます。(自動車整備場は、各自動車メーカーからライセンス費を払ってこの故障コードを知ることができるようです。)
話を戻しますが、最初に読んだ故障コードを過去故障と呼び、少なくとも過去どこかで起きた故障を意味します。
その後、車両診断機器にて、故障コードの削除を実施します。(状況により車両再始動を行い、再び故障コードを読みます。)
過去故障コードが再び表示された場合は、それを現在故障コードと呼びます。
語句通りですが、過去から現在まで故障を意味する状況になります。
自分で直せる?
ここまで読んでくれた方であれば、薄々気づいていると思いますが、通信方式と故障コードが国際規格で決まったものであれば、Amazonで診断機器を購入したり、自作すれば、故障コードを読み出せるし、場合によっては、故障コードを削除できます。(※ここで、車両で起きている故障が直せると保証するわけではないので、自己責任でお願いします。)
それでも技術を知りたいあなたへ
まずは、下記の無料資料を読んでみてください。車両診断の基礎を知ることができます。
参考先: はじめての診断 Vector Japan
現在主流のCAN通信を使った診断技術の基礎が身につくと思います。
CAN通信による診断は、一回の送信データ量は基本的には8byteしか送れません(ISO-TPで言うシングルフレーム(SF))が、マルチフレームを使えば、最大4095byteまで送信データを増やすことができます。
だいぶディープな話になってきたため、別の記事で通信フローの紹介したいと思います。
まとめ
- 通信方式の紹介
- 過去故障と現在故障の違い
- 個人で車両診断ができるかどうかの可能性 (自己責任でおねがいします。)