CANトランシーバ[MCP2562]の役割とCANコントローラとの違いを解説

CANトランシーバ[MCP2562]の役割とCANコントローラとの違いを解説

IoT機器(ESP32とか)と相性がいいCANトランシーバのMCP2562が優れる点を見ていこう!

Microchip Technology社が製造している半導体MCP2562は自動車電装機器の情報通信に使われるCANトランシーバのひとつです。

この記事では、MCP2562の特徴とIoTデバイスとの連携方法を紹介します。CANコントローラとの役割の違いにも触れたいと思います。

参考先: MCP2562 データシート

MCP2562(FD)とは?

MCP2562は、第2世代の高速通信対応のCANトランシーバです。

標準のCAN通信だけでなくCANFD通信にも対応しており、多くの自動車やIoT機器と連携することができる、低価格高品質なCANトランシーバです。

特徴

  • 2,5,8Mbps動作のCAN通信対応
  • – 2Mbps:車載コントローラ間の通信
    – 5Mbps: リプログラミング時の通信

  • 国際標準規格に対応
  • – ISO-11898-2, ISO-11898-5

  • デジタルPIN対応
  • – 1.8 – 5.5Vのコントローラに対応

  • 1個90円とホビーユースにもOK

コントローラとトランシーバの違い

CAN通信を実現するうえで、CANコントローラとCANトランシーバが必要になる。

CANコントローラは、送信したい情報を①完全なCANメッセージに変換し、②共有して使われるCANバスへのアクセス制御をしながら、③CANトランシーバへ指示を出します。

それを受けたCANトランシーバは、CANコントローラから受け取ったCANメッセージをCANバス上に、①ビットレベルから電圧レベルに変換する。同時に、電圧レベルをCANバスから読み取り、②電圧レベルからビットレベルに変換し、CANコントローラに送信する。

CANコントローラとCANレシーバの役割

  • CANコントローラの役割
  •  - CANメッセージの作成
     - CANバスのアクセス制御
     - メッセージの送受信

  • CANレシーバの役割
  •  - ビットを電圧レベルへ変換
     - 電圧レベルをビットに変換

IoT機器と連携

ESP32 一番おすすめ

ESP32は、CANコントローラを標準装備しており、GPIOの動作電圧が3.3Vのため、このトランシーバを購入すれば、CAN通信を手早く体験できます。

ほかの記事で接続方法を紹介しているため、下記も合わせて参照ください。

関連記事
●【初心者向け】ESP32 開発環境

参考

Arduino UNO , Raspberry Pi

Arduino系やRaspberry Piを使ったCAN通信をする場合は、CANコントローラ(MCP2515)が別途必要です。CANコントローラも追加で実装するのが大変という方には、CANコントローラとCANトランシーバ一体型製品(ひとつ500円ぐらい)も売ってますので、そちらをご購入された方が早いかもしれません。

CANとは?

CAN通信は、主に自動車に搭載されたマイコン同士が通信するのに使われる技術で、2本のツイスト線に繋がったマイコン同士が電圧(1.5V〜3.5V)を変動させて情報を伝達します。車載コントローラの多機能化に伴い、情報量が膨大になってきており、標準CAN( 1Mbps)では足りなくなってきている。そのため、データ転送速度を上げたCANFD(2Mbps, 5Mbps等)が主流になりつつある。

参考先:はじめてのCAN/CAN FD

まとめ

MCP2562は、自動車分野で使われる半導体に留まらずに、IoT機器との連携も可能であることを紹介しました。また、CANコントローラとCANトランシーバの役割の違いについても簡単に説明しました。